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住宅ローンは固定?変動?どっちがいいの?【高崎不動産情報ライブラリー】

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カテゴリ:【 お金・ローン・税金・補助金 】
高崎テクノがお送りしています高崎不動産情報ライブラリーです。
本日もお役立ち情報をお届けいたします。


日銀による超が付くほどの低金利政策が終了し、日本も金利がある社会になりました。
当初懸念されていたような急激な上昇は今のところ発生していませんが、日銀の会合が開かれる度に金利上昇を懸念する報道などがなされ、それを受けて株価が変動しています。
住宅購入者にとって住宅ローン金利も大きな買い物となるため、いろいろと悩まれる方が多いと思います。
今回は多くの方が変動金利を選択する中で、固定金利がお勧めであることをご説明いたします。

□プロも含め先人のアドバイスは役に立たない時代になりました

現在ほとんどの方が変動金利を選択しています。
金融機関の当初〇年〇%引き下げというような初めだけ安く見せるローン商品の影響もあり、固定金利と変動金利の差が1.0%くらい空いている状況だと、目先の金利がリアルな数字のため、変動金利は上がるかもしれないけれど、どれくらい上がるかはわからないため、とりあえず勧められた変動金利のローンを利用しよう、と言う方が多いように思えます。

下図は住宅金融普及協会のHPに掲載されている変動金利の推移ですが、1996年くらいからほぼ横這いになっていることがわかります。

もう少し昔に目を向けると、バブル期には今では考えられないような水準の金利だったことがわかります。

それでは住宅購入を検討している皆さまの周りにいる方を想像してみてください。

まず皆さまのご両親です。
ご両親が実家を購入したのはいつごろでしょうか。
1次取得者(初めに家を買う方)が35歳±5歳と言われているので、バブル崩壊から金利が一気に下がりつつある時期だったのではないでしょうか。
つまり皆さまのご両親の感覚では、住宅ローンの金利は3%~4%くらいです。
金利負担が大きいので、この頃は頑張って繰り上げ返済をしましょう、という風潮がありました。
今の時代と金利差が大きすぎるのであまり参考にならないのはご理解いただけると思います。

続いて皆さまの先輩です。2010年~2020年頃に住宅購入したと想定します。
この頃に住宅購入した方は空前の低金利時代です。
日銀の政策も長らく続いていたので、この頃に住宅購入を行った方は、変動金利とは言っても全く変わらないから実質固定と同じだ、という感覚をお持ちです。
そしてまだローンの返済途中なのですが、今後も金利は上がらない(上がることに目を向けたくない)とお考えの方が多いように思えます。

最後に不動産事業者です。
不動産事業者は変動金利を勧める会社が多いです。
理由は様々ありますが、不動産会社批判のように読まれてしまう恐れがあるので、詳細は割愛します。
担当されている方がどれくらい不動産業界で仕事をされているかにもよりますが、基本的には先ほどの先輩と同じで、超低金利時代の感覚を引きずっている、つまり、変動金利を選択してもそれほどリスクではないと考えている方が多いように思えます。

さて前置きが長くなりましたが、見出しに戻ります。
今現在起こっているのは、日本だけでなく、世界規模での経済不安です。
ITバブル崩壊やリーマンショックを超えるような重大な局面を迎えるという見方もあります。
間違いなく言えることは、今後金利がどうなるかを正確に予想できる人はほとんどいないとうことです。
つまり、住宅ローンの選択に関しては、ご両親のアドバイスも、先輩方のアドバイスも、不動産事業者のアドバイスもほとんど参考にならないということになります。

アメリカに目を向けると、アメリカはインフレを抑制するために、政府が金利を上げる政策を行っており、そろそろ利下げに踏み切るのでは?と囁かれている状況です。
ニュースにもなりましたが、アメリカの住宅ローンの金利は7%を超えており、日本から見ると想像を絶する市場だと言えるでしょう。

※変動ではなく30年固定金利の推移です。

注目したいのは、アメリカの金利は徐々に上がったのではなく、2022年ごろから急激に上昇したと言うことです。
それはアメリカだからと切り捨てるのか、いやいや日本でも起こりうると警戒するのか、いずれにせよ、誰かに勧められたからという理由で安易に選択して良い状況ではないことはご理解いただけると思います。

□固定から変動への借り換えは比較的容易 でも逆は困難

住宅ローンのセオリーは、金利が安い時期は今後の金利上昇を懸念して固定金利を選択するのが良いとされます。
固定金利は毎月変動していますが、借りた時の金利が最後までずっと続くので、借り入れ時の金利が低い方は非常にラッキーと言えます。
反対に金利が高い時は今後金利が下がることを想定して変動金利を選択するのが良いとされます。

ここで皆さまが判断しなければならないのは、今は金利が高い時なのか、低い時なのか、ということです。
そこで先ほどのグラフです。
せっかくなので固定金利の住宅ローンであるフラット35の推移も掲載しておきます。

金利をめぐる報道を見ると、今はまだ低い時期と判断できそうですが、他方で日本はアメリカのようには金利が上がらない(上げられない)という報道もあります。
少しでも金利負担を安くしたい心理から、そこまで金利は上がらないのではないか?という思惑に縋りたくなる気持ちもわからなくはないですが、この判断は非常に危険です。

大切なのでもう一度書きます。
固定金利は借りた時の金利が最後まで続きます。
世界規模の歴史的な経済の変動があったとしても、国や金融システムが崩壊していない限り、借りた時の金利が最後まで変わりません。
他方で変動金利は金利上昇のルールはあるものの、上がる時には上がることを諸外国が証明しています。
そして住宅ローンの返済額は家計におけるウェイトが大きい出費なので、変動金利を選択することは、金利の引き上げによって生活が維持できなくなるリスクを容認すると言い換えることもできます。

金利が高くなれば固定に借り換えればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、変動金利から固定金利への借り換えは非常に難しい選択となります。
固定金利は変動金利よりも高く設定されるので、借り換えを検討するくらい金利上昇が懸念される時期には固定金利も相応の上がっているからです。
月々の返済額は増えてもこれ以上の金利上昇リスクから解放されたい、投資でいう「損切り」のような判断が求められます。

反対に固定から変動への借り換えは容易です。
金利がそれほど上がらないということが前提となりますが、固定金利よりも低い金利への借り換えになるので、借り換えに必要な諸費用を考慮しても、メリットのある選択となる場合が多いです。

□住宅購入は何よりも安全であるべきだと考えます

小難しい話も含めて色々と記載させていただきましたが、ご理解いただきたいのは、住宅ローンは立派な金融商品です。メリットもあれば当然リスクもあります。
住宅購入のタイミングでは、エリアや物件選び、住宅ローンの検討、保険の検討、場合によっては建築やリフォームの検討など一度にたくさんのことを検討しなければなりません。

今後の生活を考えれば住宅ローンの優先順位は非常に高いと言えますが、残念ながら多くの方が家を買おうを思ったらまずは物件探しから始めてしまいます。
気に入った物件が見つかったら、不動産は早い者勝ちなので、とにかく手続きを急がなかければなりません。
言われるままにローンの審査を行って、結果的に不動産会社が勧める住宅ローンを利用する、中にはご自身でローンを手配する方もいますが、冒頭に記載したようにほとんどの方が変動金利を選択するので、目先の金利しか検討せずに、変動金利が抱えるリスクと世界規模の経済不安を考慮できていないのが実情です。

途中でも記載しましたが、一度金利が上昇すれば生活への影響は甚大なものになります。
住宅ローンは急がなけれなならないからといって、言われるままに選択して良いものでは決してありません。
慣れない不動産取引で、それでも将来のリスクを心配するなら、十分に検討できないことは安全側に判断することが大切です。
つまり、今後の金利の見通しも判断できないし、住宅ローンも十分に検討できていないというならば、リスクのある変動金利ではなく、とりあえず固定金利を選択するという判断が大切だと思います。

ちなみに金融機関は変動金利を勧めてきます。固定金利より変動金利の方が儲かるからです。
途中でも記載しましたが不動産会社も変動金利を勧めてくるところがほどんとです。
従って、住宅ローンの判断については、事業者のアドバイスを過剰に聞き入れるのは危険だ、ということになります。

皆さまのご両親も先輩方も取引を担当する不動産会社も金融機関も世界規模の経済を語るプロではありません。
目先の金利負担が安い方が良いからといって、変動金利で良いという理由を周りに求めるのは止めにしましょう。
そして皆さまご自身およびご家族の生活の安全を考えると、今の時代に変動金利を選択するのは不透明な要素が多すぎるので、とりあえず安全な固定金利を選択しておく、というのは非常に合理的な判断だと思いますので、参考にしてください。

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