今年9月に面白い記事が出ていました。
「20代30代が逃げていく」観光都市世界一・京都が陥った”破産危機”の真実
※PRESIDENT Onlineなので期間が過ぎると有料記事になる可能性があります。
京都市の財政が破産の危機だそうです。
実は財政破綻が懸念されている自治体は多く、その中でも京都市は少し前から”有名”な自治体でした。
ここ最近の京都市の動向は上記の記事を読んでいただければよくわかります。
人口転出が止まらない京都市
ホテルバブルからの不動産取引価格の高騰。
普通の人には手が出せない価格となってしまい、住宅を求める若い世代が京都市を去ってしまった、という顛末のようです。
この記事から得られる教訓は「人口が重要」ということです。
京都市のように日本屈指の観光都市であっても、若い世代の人口流出で財政破綻の危機に陥ってしまうのです。
財政破綻をあえて選びますか?
「これから家を買うあなたは、京都市を選びますか?」
この記事をご覧になられている方で、京都市に家を買いたいと考えている方は少ないと思いますので、少し質問を変えます。
「あなたは財政破綻が懸念される街に家を買いますか?」
答えは「NO」です。
それでも「YESだ!」と言い張る方は、北海道夕張市の顛末をお調べいただいた方が良いです。
財政破綻の自治体に待っているのは非情とも言える大規模なリストラです。
職員、職員の給与だけでなく、行政サービスも大規模な整理縮小の対象となります。
北海道夕張市ではごみ処分場の焼却施設の修繕ができず、ゴミが野ざらしになっているというレポート記事がありました。
日本最低レベルの行政サービスのために、日本最高レベルの税金を払わなければならないのが財政破綻した自治体の末路です。
自治体が財政破綻すると人口流出が加速します。
人が減るので民間企業も維持できず撤退します。
大型商業施設が消え、飲食店も消え、やがては交通機関や病院までもが消えていく。
そんな街を敢えて選択する合理的な理由はあるでしょうか?
住宅購入は街選びのチャンス
住宅購入は自分が住む街を選択する最大のチャンスです。
今回の記事のように自治体の財政状況が将来の資産価値に与える影響を検討するのは非常に重要です。
もう少しわかりやすい例を挙げると自然災害があります。
住宅購入はより災害リスクの少ない街を選択する、ある意味最大効果の防災対策と言えます。
話を戻します。
京都市に限らず短期的に財政破綻が懸念される自治体は多いです。
日本は人口減少社会なので、人口が減り続ける街と増え続ける街の2極化がますます進みます。
人口減少、極端な少子高齢社会、家余りなど、これから私たちは全く経験のない新しい社会で生きていかなければならないのです。
実家が近い、
今まで慣れ親しんだ故郷だから、
仕事の都合…、
エリアを選択する理由は様々ですが、ひと昔前の価値観で安易に街選びを行うと将来の選択肢を自ら失ってしまいます。
これからは街選びの重要性が増す時代です。
自治体の人口動態はすぐに調べることができるので、検討している街が現在時点で人が減りつつある街でないかくらいは確認した方が良いです。
家探しを始めるときにポータルサイトの物件情報を見ることから始める人が多いのですが、家を検討するよりも前に街選びをしっかりしておかないと、事業者の甘言に踊らされて快適な住居という贅沢のために、財政破綻の恐れのある街や自然災害のリスクが高い立地を「あえて」選んでしまう恐れがあります。
将来のご自身や家族が困らないよう、まずは「街」に注目してください。