高崎テクノがお送りします高崎不動産情報ライブラリーです。
先日、東日本ではまた大きな地震がありました。
というわけで、今日の話題はこちら。
旧耐震のマンションを内見に行くことがほとんどありませんでしたが、先週末久しぶりに、旧耐震マンションのご案内に行ってまいりました。
【マンションの主な概要】
・築51年
・駅徒歩1分
・総戸数約70戸
・約7000万円の費用を費やして耐震改修工事済み
⇒販売図面には、新耐震基準に適合する書面あり
(つまり、旧耐震のマンションでもローン減税の対象になる)
始発駅徒歩1分の立地、耐震改修工事済み、室内は売主様が拘ってスケルトンからのリフォームが施されているということで、お客様と内見に行ってまいりました。
少し早めに現地に行き、耐震改修工事はどんな感じで施されているのか、外観からみてみました。
こちらのマンションは、外付け鉄骨補強での耐震改修かと思われます。建物の外側に鉄骨等を増設することによる耐震補強 既設の壁やサッシの解体が少なく済むのが特徴です。
マンション耐震化のコスト障壁
国交省発表のデータによりますと、旧耐震設計のマンションは、昭和58年までに建てられた約128万7000戸が対象になると思われます。
旧耐震のマンションは、やはり、耐震改修にかかわるコストに大きな障壁があります。
耐震診断費用は、三次診断+補強設計まで行い、補強計画コンサル業務に耐震改修設計業務・耐震改修基本設計・実施設計業務等の設計料なので、数百万では収まらないケースが多いと思われます。今回見に行ったマンションも上記コンサル+設計費用で2000万円近く費用がかかっている模様でした。
物件の資料は必ず確認しましょう
今回ご案内に行ったお客様は、室内の間取りの広さ、使い勝手、その他の条件で購入をやめましたが、購入を検討される方は、マンションの管理状況の書類資料を絶対に確認しましょう。今回のマンションの資料を取り寄せ長期修繕計画書・議事録等を読んでいきますと、耐震改修工事を実施するため、修繕費は借入をしていました。お金がないから耐震改修工事をしないというよりは、借入をおこし、きちんと耐震改修工事を行っているため居住者の安全面ではすごく良いことだと思います。それに伴い長期修繕計画の見直し、修繕積立金の改定もきちんと行っていました。そういった意味では、組合もきちんとしているという印象です。
(実際マンションを内見に行っても、管理が行き届いている印象でした。)
また今回の物件では、始発駅徒歩1分という立地も生かし、将来建て替え等の議論も出ていました。マンションの建て替え委員会を立ち上げ、ディベロッパーの協力のもとに検討を進めています。単独の建て替えは、既存の建物より規模が大きくならず、各子の負担も大きいため、近隣を巻き込んだプランに於いて検討しているとのことです。
まとめ
基本的には、旧耐震マンションは安全面からもお勧めではありませんが、今回のようにきちんと耐震改修工事をしており新耐震基準に適合している、組合がしっかりしている、不確定要素は強いものの建て替える価値があり議論がでている、立地が極めて良いということであれば、考え方によっては検討されても良いかもしれません。
ただし、将来の建て替えを目的に購入する場合には、注意が必要です。
立て替えをするにも、共同住宅では建て替え合意形成は容易ではなく、一筋縄ではいきません。建て替えが実行するまでに相当の期間がかかるケースがほとんどですのでその点は注意しておきましょう。
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