
宅地の安全性を見極める:盛土・切土の特徴と「盛土規制法」のポイント【高崎不動産情報ライブラリー】

日本の国土は山間部が多く、平坦な場所ばかりではないため、傾斜地を切り開いたり、土を盛ったりして造成された宅地が数多く存在します。土地や住宅の購入を検討する際は、「盛土(もりど)」と「切土(きりど)」の特徴をしっかり理解しておくことが重要です。
1. 盛土と切土の基礎知識
盛土(もりど):
元の地盤面に土砂を盛り上げて平坦にした部分です。転圧(締め固め)や地盤改良工事が不十分な場合、軟弱地盤になりやすく強度に不安が残ります。一般的に新しく盛土された地盤は3〜5年程度で沈下が落ち着くとされますが、内部に大きな石や木の根、コンクリート片、廃棄物などが混ざっていると、空洞や腐食の進行によって10年近く経っても安定しないことがあります。また、擁壁から1メートル以内の部分は転圧不足になりがちです。
切土(きりど):
元の地盤を切り崩して平坦にしたもので、元々の堅い地盤がそのまま残るため、盛土に比べて比較的安定しているといえます。
なお、一つの宅地の中に盛土と切土が混在している場合(いわゆる「混在地盤」)、場所によって地盤の硬さが異なるため、建物にねじれが生じて「不同沈下」を引き起こすリスクが高まります。

2. 厳格化する安全基準:「盛土規制法」のポイント
従来は宅地を中心とした規制でしたが、全国的な大参事を教訓に、従来の法律が抜本改正され「盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)」が施行されています。この法律により、私たちの住まい選びや土地の安全性に関する見方も大きく変わりました。
宅地以外の土地も規制対象に:
従来の「宅地造成等規制法」では規制しきれなかった、農地や森林、荒地など、土地の用途にかかわらず危険な盛土等がすべて規制の対象となりました。
全国一律の基準でエリアを指定:
都道府県等により、災害を引き起こすおそれが高いエリアが「宅地造成等工事規制区域」や「特定盛土等規制区域」として指定され、盛土や切土、土石の一時堆積などに対して厳格な許可制や届出制が導入されています。
安全性や責任の明確化:
規制区域内での大規模な盛土等を行うには、事前の許可が必要不可欠であり、工事主の資力・信用や権利者全員の同意なども厳しくチェックされます。また、土地の所有者等には、常に安全な状態を維持する努力義務が課されています。
3. 購入・検討時のチェックリスト
盛土や切土によって高低差が生じている造成地や、過去の埋立地などが疑われる土地を検討する際は、以下のポイントに注意しましょう。
自治体のハザードマップや情報を確認する
国土交通省のポータルサイトや各自治体が公開している「大規模盛土造成地マップ」などを活用し、検討中の土地が該当していないか確認しましょう。
関係資料の提示を求める
現場によっては造成工事に関する図面やデータが存在する場合があります。不動産業者を通じて、資料の有無や説明を求めてみてください(ただし、古い造成地の場合は資料が残っていないこともあります)。
地盤調査と補強費用を想定しておく
少しでも地盤に不安がある場合は、専門業者による地盤調査を検討するとともに、万が一の「地盤補強工事費用」をあらかじめ予算に組み込んでおくことをおすすめします。
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