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耐震性を軽視していませんか?<木造賃貸・民泊編>

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カテゴリ:【 ライフプランニング 】
高崎テクノがお送りしています高崎不動産情報ライブラリーです。
連日猛暑が続いていますが、熱中症に気をつけましょう。
それでは今日もお役立ち情報をお届けいたします。


先日東京都が首都圏直下地震等による東京の被害想定について公表しました。


ニュースにも取り上げられたのでご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

最近全国的に地震が多く、何となく嫌な雰囲気が漂っています。

阪神淡路大震災のような震災が発生すると防災意識が喚起されるのですが、時間が経つと次第に優先順位が下がってしまいます。

今回は木造住宅を居住以外で活用するケースについて、耐震性を軽視してはいけないという内容をご説明いたします。

少し前に話題になったサラリーマン大家のケース
個人でも手が出る価格の不動産を購入し、賃貸で運用する「サラリーマン大家」というのが少し前に話題になりました。
※ローンの問題が発生して現在は少し下火になっているようです。
多くはマンションの話なのですが、サラリーマン大家が流行った時に、築古の木造アパートを購入してリノベーションして運用するというような事例がよく紹介されていました。
事業者だとなかなか行わないデザイン性に特化した事例が多かった印象があります。
マンションに比べると駅から遠くなるのですが、オシャレな部屋の割に家賃が相場よりも安いということでPRされていたケースが多かったです。
もしかするとサラリーマン大家に興味がある方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、木造住宅を賃貸で運用するのは非常に難しいのであまりお勧めではありません。

ご自身で住むわけではない物件の購入になるので、価格重視の物件選びになりがちで、また、リフォームについても性能向上よりも見た目や居住性を重視したものになりがちです。

何もない時には良いかもしれませんが、住宅性能を無視して見た目だけで賃貸として運用してしまうと、いざ地震があった場合に全てを失う恐れがあります。

古民家を民泊で運用
新型コロナの影響でインバウンド需要が減ってしまったのでこちらも下火になってしまいましたが、古民家をリノベーションして民泊で運用するのも流行りました。
Airbnbなどのサービスを利用すると、個人でも比較的容易に参入できるので、副業として取り組む方が多いようです。
短期利用を想定しているので、賃貸物件よりも更に内装重視の運用であるケースが多いように思えます。
古民家を安く購入してDIYでリフォームして運用するようなケースがyoutubeなどで紹介されていたりしました。

この古民家を活用した民泊は、地方の空き家問題の解決策として取り上げられることもあります。
見た目のリノベーションばかり注目されて、肝心の耐震性について言及するケースはほとんどありません。

しかし木造賃貸と同じく、古民家を投資として運用するのは難しいのでお勧めではありません。
自然災害で全てを失う恐れがあります。

■建物の責任は所有者が負う

大地震が発生し所有物件が倒壊し、賃借人もしくは宿泊利用者が亡くなったと想定します。
「地震災害だから仕方がない」なんて軽々しく主張できません。
※これを言っても良いのは被害者だけです。

賃貸物件の場合も宿泊施設の場合も建物性能の責任は所有者が負います。
耐震性に問題のある物件を事業で運用していた場合、当然ながら被害者に対して損害賠償責任が発生するのです。

ここで判断が難しいと考えられているのが「耐震性に問題のある」という定義です。
違法建築物や構造性能を無視したリフォームなどは論外ですが、建築基準法に則って立てられた建物であれば基準を定めた国に責任があると考える方が多いです。

建築基準法は大きな地震災害が発生するたびに改正を繰り返しています。
1981年6月に実施された建築基準法改正は耐震性の考え方を大きく変えるもので、1981年5月以前の建物を「旧耐震」、1981年6月以降の建物を「新耐震」と区分し、旧耐震の建物は既存不適格住宅という扱いになります。

旧耐震の物件は耐震の対策が必要であることは公になっているので、旧耐震の賃貸や宿泊施設が倒壊してしまった場合、所有者が行うべき対策を講じていなかったと判断される可能性が高いと言えます。

それでは新耐震なら良いのかというとそうとも言えません。
阪神淡路大震災の教訓を受けて2000年6月に建築基準法が改正されています。
つまり新耐震であっても2000年5月以前の建物は何かしらの耐震対策が必要と判断できます。
2016年に発生した熊本地震では新耐震であっても2000年5月以前に立てられた建物で被害が見られており、西暦の下二桁を取って「8100住宅」と区分し、新耐震でも耐震対策を行うよう呼びかけられています。

「8100住宅」は比較的新しい考え方なのでその責任を強く問われる可能性は低いかもしれませんが、少なくとも旧耐震物件の所有者は個人で抱えるには大きすぎるリスクを負うことになることを認識した方が良いでしょう。

■旧耐震の物件が法律違反ではない

勘違いを生じやすいのが、旧耐震物件だから貸してはいけない、宿泊させてはいけないという法律ではないという点です。
国としては建物の責任は所有者にあるので、耐震対策を講じた上で賃貸などで利用するという意図なのですが、法律で禁止されていないから貸したり宿泊させても大丈夫と都合の良い解釈をしてしまうオーナーが多いのです。

更に酷いのが、耐震診断などで問題があることが明らかになってしまったら、オーナーが改修工事などを行わなければならなくなりますが、旧耐震というのはあくまで耐震性を満たしていない物件が多い年代というだけで、建築年だけで耐震性に問題があることが明らかになるわけではない、という屁理屈から、下手に耐震診断を行うと余計な改修費用が発生してしまうため、耐震診断すら実施しないケースが多いのです。

賃貸も民泊もオーナーは個人であっても事業者です。
消費者ではありません。
事業者が負うべき責任を軽視することは論外で、利用者の安全を考慮できない人はこれらの不動産を運用するべきではありません。

■想定外の地震だから致し方ないケース

地震動の最大値がわからない以上、どれだけ耐震対策を講じても絶対安全とは言い切れません。
過去の地震災害の教訓を受けて建築基準法が改正されたり、耐震診断法が開発されたりしてきたわけです。
ですからオーナーとしてやるべきことは耐震診断で家屋の耐震性能を確認して、問題がある場合は必要な耐震改修を行うことで、そこまでやっても被災してしまった時に、「想定外の地震だから致し方ない」と判断してもらえる可能性が出てくるのです。

築古の木造アパートも古民家も築年相応の問題を抱えているから安いのであって、きちんと直そうとすると建て替えた方が合理的と判断されるケースも少なくないです。

賃貸も民泊も「商売」ですから、万が一のリスクを負い切れない人は事業に取り組む資格がないと判断し、安易に手を出さない方が良いです。

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