最新式のシステムキッチンは憧れますよね。
ただ、CMで出てくるような高級仕様のキッチンは車が軽く買えてしまうほど高価なのでなかなか手が出せません。
せっかく中古を選択するのですから、キッチン選びも中古ならではの方法をご紹介いたします。
安易なシステムキッチン選びは要注意!
物件探しの時にリフォームのショールームへ行くことをお勧めしています。
最新式のキッチンが並んでいて、中には体験できるところもあって、かなり夢が広がります。
ただ、お値段が…。
※余談ですがショールームの表示価格はかなり高めに出ているので、型番だけ控えておいて実際の費用はリフォーム会社・工務店に聞いた方が良いです。
ショールームで注目するのは「機能」です。
自分たちの生活に必要なキッチン機能の優先順位を決めます。
よく聞くものを挙げると食洗器、コンロ(IH)、レンジフード、水栓でしょうか。
掃除がしやすいレンジフードや、触れなくても水が出る水栓など、最新機能などもあるので、ショールームで体験することをお勧めします。
優先順位が決まったら、なるべく叶えられる物件を探すことになります。
例えば食洗器がどうしても必要な場合は、既存で食洗器がついている物件もしくは食洗器を設置できるスペースのある物件を選ぶ必要があります。
都市部の物件はキッチンスペースが限られている物件も多い(L方キッチンなど)ので注意が必要です。
ショールームでチェックするべき(理解するべき)ポイントはもう一つあります。
それはシステムキッチンはただの箱だということです。
システムキッチンを機能で区分してみます。
<シンク>
排水しやすい構造など最新モデルでは工夫されているものがあります。シンクで重要なのは大きさです。
あまり小さなシンクだと作業性が悪くなりますが、既存のものが小さいからと言って大きなものへの変更は簡単ではありません。
シンクが不満な場合はシステムキッチンの交換を検討した方が良いかもしれません。
<天板>
ステンレスや人工大理石、セラミックを利用した高級仕様もあります。
天板も広さが重要です。
広ければ広いほど作業しやすくなりますが、そもそもシステムキッチンはスペースにピッタリ入るように作られているので、天板のスペースに不満がある場合は、システムキッチンの問題ではなく、そもそものキッチンスペースが狭いことが多いです。
新品のシステムキッチンに交換したところで、狭いキッチンには変わりないのです。
<収納>
扉がついているもの、スライド式のものなどメーカーによって様々です。
システムキッチンが「ハコ」であることを理解できる要素でもあります。
表面の仕上げでキッチンの雰囲気がだいぶ変わりますが、色合いだけ変更するわけには行かないので、色味が不満な場合はシステムキッチンの交換になります。
※シートを貼ってDIYで雰囲気を変えるという方法もありますが、仕上がり具合は微妙になる場合が多いので、DIYしたい!という方以外にはあまりお勧めではありません。
<コンロ>
新品でもコンロはオプション扱いです。
中古物件で既存のものが気に入らなければコンロだけ交換が可能です。
つまり、コンロを理由にシステムキッチン全体を交換する必要はありません。
<レンジフード>
コンロと同じく新品でもオプション扱いで、交換が容易です。
<水栓>
意外に思われるかもしれまでんが、水栓もオプション扱いです。
ピンからキリまで様々です。
後からの交換も容易です。
<食洗器>
ビルトインのものを後から付けるのは難しい場合が多いので、食洗器が重要な方は、既存のキッチンについているかどうかを確認して、ない場合はシステムキッチンの交換を検討した方が現実的かもしれません。
都市部のマンションでキッチンが狭い場合は、そもそも食洗器のスペースが確保できない場合も多いので、リフォーム会社に現地を確認してもらった方が良いです。
結局のところ、交換が必要なほど影響が大きな機能はシンクと収納(仕上がりの色味を含む)であって、食洗器を除くそれ以外は後からでも十分に対応可能だと言うことがお分かりいただけると思います。
実際に経年で悪くなるのはコンロや水栓などの機器であって、シンクや収納部分はクリーニングで何とかなる場合が多いです。
家を買う=システムキッチンを買い替えると安易に考えずに、必要なものを見極めて、節約するのもお勧めです。
中古物件購入時に交換しておきたいもの
視点を変えて、一見使えそうに見えるけれども、住宅購入時に交換しておいた方が良いものがあります。
コンロやレンジフードは汚れ具合で判断しますが、意外と漏れがちなのが水栓です。
キッチンの水栓は利用頻度が高いので、10年もすると水漏れが起きてしまいます。
他の箇所をまったくリフォームしないのであれば後回しでも良いですが、個別に水道屋さんに頼むよりリフォーム会社の伝手で頼んだ方が安い場合があるので、中古物件を購入する時はついでに水栓を交換しておくことをお勧めします。
また、前の所有者の使い方にもよりますが、キッチン排水管も汚れが蓄積しやすい箇所です。
水栓交換のついでに配管の交換もしくは高圧洗浄などを頼んだ方が良いと思います。
もう一点あります。
床と壁紙です。
どのご家庭でもキッチンにはモノがたくさん入ります。
引っ越ししてからだと床・壁紙の張り替えは非常に手間がかかります。
また、家の中でもキッチンは汚れが溜まりやすい箇所でもあるので、クリーニングで綺麗になるなら良いのですが、内見で汚れが気になった場合は、入居前の張り替えを検討しましょう。
快適なキッチンはDIYで実現
さて本題です。
効率の良い家事を実現するには、キッチンスペースを有効活用することが不可欠です。
作業用のテーブルが置けるくらい広いキッチンなら雑に使っても問題ないのですが、最近の間取りでよくある対面カウンターで仕切られたキッチンスペースだと、作業導線をイメージして配置を考えないと、あっという間にゴチャゴチャキッチンになってしまいます。
これまでは賃貸だったので、既製品の収納棚などを使って無理やり収めていましたが、持ち家の醍醐味は自分仕様にカスタマイズができる点です。
DIYは大変というイメージがあるかもしれませんが、天井まで隙間なくスペースをフル活用できるのはDIYならではの利点です。ぜひチャレンジしてみてください。
まず注目すべきは冷蔵庫スペースです。
今使っている冷蔵庫のサイズではなく、将来的に必要になりそうな冷蔵庫のサイズを調べておいてスペースを確保します。
※冷蔵庫上はデッドスペースになりがちです。単にモノを載せるだけだと地震が心配なので、棚を設置することをお勧めします。
続いてゴミ箱のスペースを確認します。
既製品の収納棚を使う場合に漏れがちなのがゴミ箱スペースです。
ゴミを捨てる導線は、作業工程が少なければ少ないほど家事が捗ります。
よく棚の下に収納するキャスター付きのゴミ箱がありますが、引っ張り出してからでないとごみが捨てられないというのは地味に手間です。
キッチンスペースのゴミ箱スペースは非常に優先順位が高いと思います。
ここまで来てようやく電子レンジや炊飯器など調理家電のスペースを検討します。
ミキサー(ジューサー)やホームベーカリーなど料理上級者向けの調理家電を愛用されている方もいらっしゃると思います。
調理家電で注意なのは、棚などに収納してしまうと取り出すのが億劫になってしまう点です。
調理家電の欠点は場所を取ることです。
できればすぐに利用できるところに常設しておきたいところですが、調理家電をいくつも並べられるほどスペースに余裕が持てません。
キッチンの作業スペースと調理家電の設置スペースが競合してしまうというのが個人的な意見です。
既製品のキッチン収納棚を見ると、中央部分は作業用に扉や仕切りのない構造になっているものが多いです。
キッチン収納スペースにモノを置くのではなく作業のためのスペースを確保するのも効率的な家事を実現するコツです。
キッチンは一人用の作業スペースにするべきではないのです。
ここまで検討したらおおよそのキッチン収納スペースが決まってきます。
2×4材で柱を簡単に追加できるDIYキットなどもあるので、キッチン収納&作業スペースの大枠を組み立てます。
食器を収納するスペースには扉(耐震ラッチ付きをお勧めします)があった方が安全なので、スペースに合う収納家具を探してビスなどで固定します。
こうして作った既製品との数センチの違いが、キッチン家事の作業効率に大きく影響します。
実際に住んでみないとわからないことが多い
家事に最適な空間はたった数センチでも影響があるので、机上で設計しても実際とイメージが異なる場合が多いです。
また、調理家電は時代に応じて新しいものがどんどん出てくるので、今はあまり使わないものでも数年後には愛用しているアイテムも出てくると思います。
せっかくの持ち家なので、収納棚にあわせる生活よりは、理想の空間を自ら作るという発想の方が楽しく過ごせるのではないでしょうか。
※我が家では焼きたてパンの香りで気持ちのいい朝を迎えたいという欲求からホームベーカリーを愛用していますが、ホームベーカリーは置き場所に困る調理家電のトップクラスです。
電子レンジとトースターの場所をDIYしてホームベーカリーを常設するスペースを設けました。
何でもかんでも入居までに完成させるというよりは、大枠だけ作っておいて、細かな調整は住みながらDIYで実現するというのがお勧めです。
収納棚まで作ろうと思うと大変ですが、既製品の収納棚はそこそこ値段が高いにも関わらずデッドスペースが多いので、意外とストレスたまります。
床やクロスの張り替えついでに大枠の棚設置までリフォームで頼んでしまうのもお勧めですよ。