戸建ての詳細に入る前に、所有権移転後に耐震基準適合証明書を発行する方法について説明します。
所有権移転までにやらなければならないこと、やってはいけないこと
戸建ての詳細に入る前に所有権移転後の方法を行う場合で、所有権移転までにやらなければならないことと、やってはいけないことについて説明しておこうと思う。
所有権移転までにやらなければならないこと?やってはいけないこと?
耐震改修工事を行えばいいんじゃないですか?
そんなに簡単な話じゃないんだ。
というより、所有権移転後の方法は相当難易度が高いと言った方が良いかもしれない。
仲介会社が知らないだけでなく、役所の窓口や税理士ですら間違った判断をする場合があるからね。
手続きを間違うと制度対象外になるから本当に注意が必要だ。
不動産会社を選ぶのが重要、ですか。
そう。
中古戸建てを検討する時は特に仲介会社の質が問われる。
消費者が個人レベルで対処できるものではないので、業者を巻き込んだ方が良い。
でも念のため内容を知りたいです。
わかった。
本当にややこしいから覚悟して欲しい。
所有権移転後の方法の要件はまとめると次のようになる。
「所有権移転前に耐震基準適合証明書仮申請書を行う」
「所有権移転後、居住開始までに、耐震改修工事を実施して、耐震基準適合証明書を発行する」
すいません。全然意味がわからないです。。。
要件を整理すると次の3点になる。
1:所有権移転前に仮申請書を行う必要がある
2:新住所登記を行ってはいけない
3:耐震改修工事が必要
すっきりしましたが、新しい単語も出てきて意味がわかりません。
耐震基準適合証明書仮申請
順番に説明するから(笑)。
まず1の仮申請。
これが所有権移転までにやらないといけないことになる。
ここで思い出してほしいのが、この築後年数要件の制度の変遷だ。
実はこの制度は内容が書き換わったのではなくて、緩和要件が追加されているに過ぎない。
つまり、耐震基準適合証明書は所有権移転前までに発行するのが基本であって、所有権移転後の方法はそれができない場合の追加措置という位置付けになる。
だから、所有権移転までに、適合証明書発行のために改修工事が実施できないので、仮申請だけ行います、という手続きが求められる。
意味合いを理解するのは難しいけど、とにかく「仮申請」という手続きが必要ということだ。
仮申請って何をするんですか?
買主が耐震基準適合証明書仮申請書に必要事項を記入して、最終的に耐震基準適合証明書を発行してもらう人に提出し、記名捺印をしてもらう流れとなる。
<参考>国土交通省ホームページ
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000031.html
※重要※制度に不慣れな事業者が多いので、下記のPDFを印刷して相談することをお勧めします。(金融機関や役所でも同じです)
https://www.mlit.go.jp/common/001304714.pdf
太郎さんがややこしく言うから何かと思えば、そんなに大した書類じゃないですよね。
そこが問題なんだ。
この書類の問題は、最終的に耐震基準適合証明書を発行してもらう人はこの人ですよ、ということを決めることにある。
最終的に仮申請書の発行者の名前と耐震基準適合証明書を発行する人が同一でないといけない。
耐震基準適合証明書を発行するには耐震改修工事が必要になるというのは前に説明した通り。
つまりは、所有権移転までに耐震改修工事を含めたすべての計画を決定しないと仮申請書が無効になる恐れがあるということだ。
当初はA社に耐震をお願いしようと思っていてA社に仮申請を行ったけど、あとからB社の方が安いとわかったんでB社に変更しました、というのは成立しないという訳だ。(※)
売買契約から所有権移転までに耐震診断を実施して、改修工事の中身まで決めなければならないんだから、かなりスケジュールはタイトになる。
とても「書類書けばいいんでしょ」レベルの話ではない。
※耐震診断から改修設計、改修工事、証明書発行を一貫して同一事業者が実施するスキームを想定しています。詳細は別で説明しますが、証明者と施行者が異なると、リフォームではあまり行われない施工監理が必要になるからです。
重要なプロセスだったんですね。わかりました。
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